2022/05/24 11:21

 でも、その内、師匠とも慣れてきて、朝は隣の喫茶店にダークコーヒー(ミルクを
少し入れたもの)を買いに行き、「She is very charming!」「Realy?」「Oh! very nice!」と言う簡単なこと。「Hiro miru!」 と言われて、表を見ると、可愛いお姉さんが歩いており、「Waoo!」「Very cute!」と、言って。「cute ヲニホンゴデイウト?」と聞いてきて「可愛い」と教えると、「kawaii kawaii」と繰り返して言って日本語を覚えようとしてました。
 こんな親父みたいな会話をしながら、楽しい毎日が過ぎていきました。
 ある日、お客様のフルートの修理を任されました。まだ有名では無いようですが、時々演奏の仕事をやってられる方でした。昼ごろ持ってきて、夕方までに仕上げろ、というのです。
 結構時間のかかりそうな修理だと思いましたが、何とか間に合うように出来ました。
 しかし、お客様に喜ばれるまでは、こちらも不安なものです。 時々とはいえ、お金をもらってそれで生活をされているわけですから、プロの方の修理は緊張するものです。
 そして、フルートを試奏されて、「O.K!」と言われたので、ホッとしたのと同時に、違う国の方が私の技術を認めてくれた嬉しさがこみ上げてきました。
 そして、お客様が私に握手をしようと手を差し出して、来たので、キーオイル等で手が汚れていたので「Very dirty」と言ったのにもかかわらず、大きい両手で握られたときには、「本当に、修理屋をやっていて良かった」と思い、修理屋冥利につきました。