2022/05/29 10:12
このサックスで苦労した点は、まず、古いため、ねじ等が錆びていて抜け難かったことです。
ドライバーを丁度そのねじの頭の大きさにして、ねじ山をつぶさないように慎重にしました。
前に何度か、ねじ山をつぶしたがために、何倍もの時間がかかっていまい、とても苦労したことがあります。
油を注して、火であぶったりといろいろ手をかけて何とか無事にその作業は終わりました。
また、古い楽器は、今のサックスと比べて、芯金と呼んでいるねじがとても長く、2,3倍長い物もあります。
それが、中の方で錆びていると、なかなか抜くことが出来ません。幸いこの楽器は、入り口辺りだけでさび付いていたので、何度か手をかけると取れてくれました。
また、キーの芯金が長いと言うことは、曲がりやすいので、キーの動きの不良の原因でもあります。
この楽器にも何ヶ所かあり、芯金を矯正するのにも苦労をしました。
でも、日常では味わえない特殊な修理に出会うたびに「これ、どーしよー」と思う反面
出来上がった時の喜びは、何倍にもなります。
また、お客さんの笑顔にふれるたびに「この仕事について良かった」と満足しています